口コミやランキングを検索の中心にしない
口コミ依存症とかランキング依存症という言葉を耳にするようになりました。簡単に言ってしまうと、ネットで通販の商品を買ったり、買い物ではなくても調べものをしたりする際に、真っ先に口コミを検索したり人気ランキングをチェックしないと気が済まない状態を言うのだそうです。
依存症と知らずに無意識で行っている人がほとんどで、それが症状の悪化を招いているという精神科医もいます。口コミ依存に陥って困るのは、自ら判断する力が弱まり、裏取りをする習慣もなくなってしまうこと。
近年ではフェイクニュースが横行していますが、報道によるとツイートされた内容の事実関係を裏取りせずにリツイートしてしまった経験のある人は、利用者の40%以上に上るという発表もありました。送られてきた情報の中身を確認もせずに拡散させている人が、4割もいるということです。
私は医療用ウィッグをネット検索していて、こんな書き込みを見つけました。『人毛100%のウィッグは最高級品といえるけれど、混毛・ミックス毛はイカサマものが多い』、『ホントはすべて機械化しているのに職人の手作業と言って高い値段を付けている』など。
『通販の医療用ウィッグで言っているコストカットは嘘が多い。安くても高級であると見せかけるためだ』といった主旨の書き込みは、うんざりするほど行き当たります。
裏取りのないやりとりで、自分も加害者になる
書き込みや口コミの情報がすべて嘘だとかいい加減とは言わないまでも、リツイートする人は少なくても事実関係を確認して欲しいと思う。
たとえば先に紹介した『人工毛100%なら高級品』というのは間違った認識で、ウィッグは人工毛だけでは耐久性が弱く、直射日光による変質速度も速い。とくにリハビリや歩行運動など、日常的な身体の動かし方とは違ったハードなトレーニングに使われることが多い医療用ウィッグは、ミックス毛でなければ数ヶ月ともたない。
職人の手作業についても、複雑な形状のネット構造や滑り止めの縫い付けなど、素人でも機械化は無理だとわかるはず。ネットは情報拡散のツールになります。善意にも悪意にも使え、愉快犯のように面白半分の道具にも使えます。使う側の節度が保たれなければ、ネット情報のすべてが嘘のカタマリになってしまいます。
- 口コミに参加する人、リツイートを日常的にやっている人は、事実関係を確かめてからコミュニケーションを取るべき。
- 口コミやツイッター、人気ランキングを中心に検索する人は、それを鵜呑みにはしないこと。とくに医療用に関わるものは安易に依存すると危険。
- メーカーや本職の人が発信している、信憑性の高いホームページを第一の参考書にして欲しい。根拠・論拠のないものを信じてはいけない。
少なくても、上記の3点だけは示しておきたいと思います。いい加減なところで同意をして拡散させてしまえば、自分も知らずに加害者になっていることを再認識していきましょう。